日本人は「睡眠不足」 女性の4割が睡眠6時間未満 大人も子どもも先進国で最下位

睡眠時間:先進国ワースト

厚生労働省の調査によると、日本人の平均睡眠時間は2021年で6時間18分と、OECD加盟国中最短です。これは10年前と比べて約15分短くなっており、深刻な状況が続いていると言えます。特に、女性の4割が6時間未満の睡眠しか取れていないことが明らかになっています。
日本の子どもの睡眠時間が世界で最も短いという問題が指摘されています。厚生労働省の調査によると、2021年における10歳未満の子どもの平均睡眠時間は9時間15分であり、これはOECD加盟国中最短です。さらに、株式会社ブレインスリープが行った調査では、3歳~9歳の子どもの睡眠時間は、推奨される睡眠時間より最大2時間近く短いことがわかっています。

睡眠不足の理由

睡眠不足の理由は様々考えられますが、主な要因として以下が挙げられます。

長時間労働: 日本は長時間労働が常態化しており、残業や休日出勤が当たり前になっている企業も多いです。
通勤時間の長さ: 都市部を中心に、通勤時間が長い人も多く、睡眠時間を確保することが難しい状況です。
スマホやパソコンの普及: 寝る前にスマホやパソコンを使うと、ブルーライトによって脳が覚醒し、眠りにつきにくくなります。
ストレス: 仕事や人間関係などによるストレスは、睡眠の質を低下させる要因となります。

 

睡眠不足の影響

 

睡眠不足は、集中力や記憶力の低下、判断力の低下、免疫力の低下、肥満、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などの様々な健康被害を引き起こすことがわかっています。また、うつ病や躁うつ病などの精神疾患のリスクも高くなります。

集中力や記憶力の低下: 睡眠不足になると、脳の機能が低下し、集中力や記憶力が低下します。
免疫力の低下: 睡眠不足は免疫力を低下させ、風邪や感染症にかかりやすくなります。
生活習慣病のリスク増加: 睡眠不足は、糖尿病や高血圧、心疾患などの生活習慣病のリスクを高めます。
うつ病や躁うつ病のリスク増加: 睡眠不足は、うつ病や躁うつ病などの精神疾患のリスクを高めます。

経済損失も甚大

睡眠不足による経済損失は、年間18兆円に上ると試算されています。これは、医療費や生産性の低下などの損失を合計したものです。

睡眠は私たちの幸福にとって非常に重要です。

睡眠不足だと、精神が不安定になり、思考力が低下したり自律神経が乱れたりして、幸せを感じにくくなります。また、睡眠不足はセロトニンなどの幸せホルモンの分泌を抑えるので、うつ状態や不安症状のリスクが高まります。さらに、良い気分が減少し、不安な気持ちが増えてしまうのです。

一方で、長生きだけでは必ずしも幸せとは限りません。健康で充実した老後を過ごせるかどうかが大切なのです。そのためには、しっかりと質の良い睡眠を取ることが欠かせません。良質な睡眠を確保することで、長生きするだけでなく、心身ともに健康で幸せな生活を送れるのです。睡眠は、私たちの人生をより豊かに、より幸せなものにすることができます。